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《7》 エレベーターの場所はママさんに聞け!

  • 樋口彩夏
  • 2013年3月5日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年5月18日


◆歩いて生活をしている人にとっては、へぇ~!

このブログも7回目になりました。今まで文章を書くことがあまりなかった私は、まだまだ慣れていません。

なにを書こうかなぁ、どう書いたら読んでくださっている方に伝わるのかなぁ、とあれこれ考えながらパソコンに向かっています。

そんな私がアピタルでブログを書くことになったきっかけは、「《2》車椅子で福岡から東京へ」の冒頭で書いた「Over Cancer Together~がんを共にのりこえよう~」という、がん患者や家族を支援するキャンペーンのレセプションで、アピタル編集長・平子さんにお会いしたことでした。

初対面だったので名刺を交換し、私をこのキャンペーンに誘ってくださった方が、平子さんに私を紹介するかたちでお話をしていました。

そのとき、まず話題になったのは、私が福岡から1人で東京へやって来たことでした。

私にとっては、車椅子とはいえ、飛行機に乗ることも電車に乗ることも“普通”のことなので、淡々と話していました。

でも、かつての私もそうだったように、歩いて生活をしている人にとっては、へぇ~!と思うことが多いようです。

今回は、そんな話題を二つ書きたいと思います。

◆エレベーターはママさんに聞け!

ん?何のこと?とお思いになったかもしれません。

みなさまもご存知のとおり、車椅子だと、エスカレーターに乗ることができないので、エレベーターを使います。(ごく一部の車椅子ユーザーにはエスカレーターに乗る人もいますが、危ないので“乗れない”という前提で書きます。)

地元など、よく行くところでは、エレベーターマップを書けるくらい、自然と詳しくなってしまいます。

しかし、初めて行く場所になると、エレベーターを探すのに一苦労です。

そんな時の、生活の知恵がこれ。 「エレベーターの場所は、ママさんに聞け!」。

ママさんといっても、ベビーカーを押している人やそのくらいのお子さんがいそうなお母さまのことです。

最初は、そんなことは意識せずに尋ねたのですが、それが、詳しいんです。

一番近いエレベーターを教えてくださって、とても助かりました。

街で車椅子の人を見かけることは少ないですが、ベビーカーを押しているお母さまやお父さまは、よく見かけます。

それ以来、エレベーターに迷ったときは、こうするようになりました。

でも、さすがに、ベビーカー連れのみなさまが全部、詳しいというわけではないようです。

その場所に馴染んでいて、地元っぽい人を選ぶようになりました。

人間観察が好きな私、けっこうな確率で当てる自信があります。笑

◆車椅子で絨毯に行くべからず

絨毯って、フカフカで気持ちいいですよね。

冒頭のレセプションとそれに続く会議の会場が、都内のホテルでした。もちろん、素敵なホテルでした。

でも、車椅子で絨毯の上をこぐのって、とっても重たいのです。

道路やツルツルの床で平坦な道であれば、普通に歩いている人を追い抜いてしまうこともよくあるのですが、それが絨毯となると、かなりのスピードダウン。全然、進みません。

車椅子のタイヤと床の摩擦抵抗が増えるのと、毛足に沈み込んでしまうのが原因のようです。

いくつかの絨毯を通った中で、絨毯とひとくちに言っても、毛足の長さや素材、織り方で重さ加減が変わってくることが分かりました。

この重さは、こいでいる本人だけでなく、押していても分かるそうで、私の車椅子を押してくれていた元看護師の方も、あまりの違いに驚いていました。

イラスト:ふくいのりこ 

私の宿泊した部屋は、障害のある人でも使いやすいように造っているユニバーサルルームだったのですが、ここもフカフカ絨毯でした。

フロントから部屋に行くだけでも、重くて重くて、腕がパンパンの私。

極力、動かなくていいように荷物などは入り口近くに広げ、部屋の奥半分は使わずに3日間を過ごしました。

こんなに動くのが億劫になったのは、初めてです。

できることなら、全館ツルツルの床に・・・、と思ってしまう程でした。

そうは言っても、絨毯なのには理由があるのでしょう。

騒音や衝撃を吸収するとか、高級ホテルの雰囲気やステータスを表わすのも大切なことだと思います。

ですが、せめてユニバーサルルームのような部屋だけでも、動きやすい床にする配慮をしていただけると嬉しいなぁと思いました。

次回は、電車に乗ったときのちょこっとエピソード。


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