《13》 自分に感謝、でも女子としては……
- 樋口彩夏
- 2013年4月22日
- 読了時間: 3分
4月も半ばを過ぎましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
私は4月から新しい生活がはじまり、新たな出会いや新鮮な毎日にワクワクしています。
でも、あまり長く座っていられない身体で一日活動をするので、身体的にはいっぱいいっぱいの日々が続いていて、ちょっと疲れ気味です。
「だから、なに?」と言われてもおかしくありませんが、心身ともに健康な状態でコラムを続けたいので、今回は予定していた流れから脱線させてください。
この生活に慣れるまでの間は、ペースが乱れることもあるかもしれませんが、今までと変わらず一生懸命書いていきますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。
今、私の住んでいるマンションは、建ててから十数年が経ったので、3月から大規模修繕工事が行われています。
幼いころ大工さんに憧れていた私は、興味津々。
足場が組まれていく光景やカラフルな作業着を見るのが楽しく、一日見ていたいくらいです。
あんなに高いところで、重い資材をかかえて作業をしている鳶職さんってすごいですね!
マンション全体が黒い網でおおわれているのですが、その網が不思議なんです。
外から見ると真っ黒で、なにも見えないんじゃないか? って感じなのですが、家の中から外を見てみると、網のないときとほとんど変わらないくらい視界スッキリ。
網のつくり的に、外と内で光の反射率が違うということはなさそうだから、太陽の光のもとで見るのか、室内の電気のもとで見るのかで、変わってくるのでしょうか?
どういう造りになっているのか、とっても不思議です。
そして、工事期間限定でマンションのキャッチフレーズを思いつきました。
どこかの建築会社の宣伝文句ではありませんが、その名は「木の香るマンション」。
廊下や壁の保護のため、エントランスからエレベーターまで木の板を張っているので、エントランスは木のいい香りに包まれています。
それに加えて、工事のため洗濯物を干せない日も多いので、エントランスに乾燥機が設置されました。
洗濯用洗剤と柔軟剤の香りエリアを過ぎると木の香りがただよう、ちょっと癒されるマンションになっています。
大規模修繕工事をきっかけに、マンション入口のスロープも生まれ変わります。
たまたま最初からスロープがついているマンションだったので、車いすになってからも住み続けることができました。
スロープがあるだけでもありがたいのかもしれませんが、すごく傾斜が急なのです。
一見、そんなに急には見えないのですが、車いすで使ってみると、ひとりでは登れないくらいの傾斜です。
私の場合、そうとう気合いを入れれば、かろうじて登れますが、本当に“登る”という表現がぴったりなくらいなので、まわりに誰もいない、家にも誰もいないとかでない限り、手伝ってもらっています。
そうは言っても、当然ながら自分で登らないといけないこともあって……。
もともとガッチリした体格だったけれど、車いす生活になってからは上半身がたくましくなる一方なわたし。
女の子としてはあまり筋肉がついてほしくないのですが、このスロープを登るときばかりはこの体格に感謝すら覚えます(笑)。
6月の工事が終わるころには、そのスロープの傾斜も緩やかになるそうなので、今から待ち遠しいです。

イラスト:ふくいのりこ
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