《31》 東京でがんのセミナー、そして検査入院
- 樋口彩夏
- 2013年9月9日
- 読了時間: 4分
お久しぶりです。
1週間ちょっとの夏休みを終えて仕事もはじまり、2週間ぶりのアピタル。
みなさま、お元気でお過ごしでしょうか?
私は夏休みで1週間、東京へ行ってきました。
新しい出会いやお勉強、父と弟との食事や昔からお世話になっている方々にお会いするなど、盛りだくさんな1週間。
最後には、アピタルの編集長・平子さんをはじめ、編集部のみなさまへご挨拶にうかがいました。
おかげさまで、とても充実したお休みを過ごすことができました。ありがとうございます♪
また、元気にコラムを書いていけそうです。
今回は、今や2人に1人がなると言われている“がん”について考えたいと思います。
先の夏休みの主な目的は、とあるセミナーに参加することでした。
人は、がんになることによって、自分の命と向き合うことになります。
(もちろん、がんに限ったことではありませんが・・・。)
医学の進歩によって、治療をすれば治るがんも増えてきました。
しかし、それを受け止める人の気持ちはどうでしょうか?
がんだと分かった時、治療中、治療後――。
きっと、その時々でちがう悩みに心を痛めることでしょう。
それは、何年何十年経っても、ずっと変わらない事実。
私もそうであったように、“どうして私だけ・・・。”と思い悩む方は少なくないと思います。
そんなとき、病気はちがってもがんの先輩方の声は、患者さんに勇気と力を与えるのではないでしょうか。
今、健康な人には、新たな気づきを与えるかもしれません。
そこで、がん患者の体験談が生きてきます。
自らの体験をどう伝えるのか?
より効果的に伝えるにはどうしたらいいか?
“語りの力”を最大限に引き出す方法を学びたい!と、全国から30名の参加者が集まりました。
「Over Cancer Together ~がんを共にのりこえよう~」
アメリカから講師を招いてのセミナーです。
参加者は20代から50~60代と幅広く、仕事もさまざま。
発病した年齢も違えば、治った人もいるし治療中の人もいて、がんの種類も多岐にわたります。
それぞれが自分の過去・現在・未来を見つめ直し、がんと闘った経験をふまえて何を伝えたいか考えました。
それを元に参加者や講師も交えて意見を交わし、各々のマイストーリーを組み立てていきます。
セミナーのまとめとして、10人ほどの発表がありました。
「あー、そうだよね。私もそうだった。」と共感できることもあれば、「そんなことがあるんだ。知らなかった。」と初めて知ることもたくさん。
似たような状況にいても、いろいろな視点や考え方があるんだなぁ。
つらい過去をバネにして今を楽しんでいる姿に感動し、キラキラした瞳で未来を語る姿に力づけられました。
また、がん医療や患者・家族をとりまく環境の課題も見えてきたように思います。
がん対策基本法の策定にともなう動きに期待はしているのだけれど、がん患者の就労などはまだまだこれから、社会全体で考えていかなければならない問題です。
私もがんを経験したひとりとして、社会に求めたいことはたくさんあります。
たとえば、長い入院が必要な子供たちの学びの在り方や行政が提供している社会保障制度についてなど。
それはワガママや甘えではなく、本当に必要なことばかり。
でも、周りになにかを求める前に、私たち患者も変わらないといけないんじゃないか、そう思うのです。
詳しいことは次回にゆずるとして、私が今の身体になって実感したのは、
“その立場になってみないと分からないことがたくさんあるんだ”ということ。
でも、生きている時間の中で体験できることには限りがあります。
だからこそ、さまざまな立場の人の話に耳をかたむけ、受け入れて、学ぶ必要があるんじゃないかなぁと思うのです。
たくさんのことを吸収し、充実したセミナーでした。
そして、東京まで行ったので、重粒子線治療を受けた千葉の病院へ、検査入院(年1回)もしてきました。
がんの再発や転移がないかを調べるため、定期的にMRIやCTなどの画像検査をしています
私の場合、小児がんの告知を受けたときから、再発はしない!という根拠のない自信があるので、検査入院といえどもお気楽なもの。
病院の医師や看護師、技師、加速器技術者、研究者の方々などと、久しぶりの再会を楽しんできました。
「大きくなったね~」と毎回、温かく迎えてくださるので、また成長した姿を見せられるように頑張ろう!と想いを新たにしたのでした。
もちろん、再発なし♪

イラスト:ふくいのりこ
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