《82》 1年を振り返って
- 樋口彩夏
- 2014年12月26日
- 読了時間: 4分
華やかなクリスマスがおわったかと思えば、街は年越しムードに様変わり。
仕事納めや大掃除、年賀状がまだ書けていないなど、慌ただしい日々が続いている人も多いのではないでしょうか。
年の瀬も押し迫り、新しい1年を目前にした今、私の2014年をふり返ってみたいと思います。
1月から3月
思えば、2014年はアピタルからはじまった1年でした。
連載がはじまり、最初に迎えた年末年始です。
年明け早々、三が日からのコラム更新に、マスコミ業界は年中動いているんだなぁと思ったのを覚えています。
この時期は、2020年のオリンピック・パラリンピックが東京開催になったことを受け、「パラリンピック実施にあたって、車いすユーザーが思うこと」を十数回にわけて書いていました。
最初は2、3回のつもりだったのに、14回!?
3カ月半にわたっていたことに気づいたときには、自分のことながら、おどろきを通り越して呆れた記憶があります。
仕事は、好きな業務からの幕開けでした。
年度末になると、すこし切ない気持ちになる業務へ入り、“人の死”について考えさせられることも。
また、プライベートでは、新しいことに挑戦する機会をいただき、胸が高鳴りました。
4月から7月
新年度にともなって職場の顔ぶれも変わり、気持ちも新たにスタートです。
今年度の目標は、「身体をいたわった、余裕のあるスケジュール管理」でした。
走り過ぎた向きのある、ここ2年。
長い目で見て、“身体が資本”であるということを意識しようと思ったのです。
就職して1年が経ち、仕事の流れや山も見えてきたので、公私ともに計画が立てやすくなったはず。
上半期は、セミナーや会議など、学ぶことの多い期間でもありました。
8月
腰が痛い、足が痺れる……、次々と身体に不調を来します。
次第に、30分と座っていられなくなる始末。
病院で検査をした結果、骨盤の骨が折れていることがわかりました。
仙腸関節部の小さな骨折2カ所は、4カ月経った今でも、この先もずっと折れたままです。
転んだり無茶をした訳ではありません。
普通の生活をしていても、いつかは来る、避けられない骨折だったのです。
簡単に言えば、ひと昔前に患った病気の後遺症。
これによって、長い時間座ることができなくなり、車いすもこげなくなった私は、電動車いすに乗り換えざるを得ませんでした。
9月から12月
骨折箇所の修復が見込めないとは言え、しばらくは絶対安静の入院が必要でした。
久しぶりに寝たきりの生活です。
「やっと自由がきく状態になったのに、また逆戻り……。」――そんな風に落ち込むこともありました。
4カ月間の療養の末、ようやく年明けから仕事に復帰できるまで回復したところです。
脆くて折れやすいガラスの骨盤とうまく付き合っていけるよう、試行錯誤はつづきます。
これだけの期間、仕事の心配をせず療養に専念できたのは、本当にありがたいことでした。
番外編
嬉しいこともありました。
乗り物が好きな私の中でも、飛行機は特別です。
今年は遠出をする機会が多く、羽田—福岡間を就航している航空会社、すべてに乗ることができました。
JAL、ANA、スターフライヤー、スカイマーク。
機内をはじめ客室乗務員の対応など、それぞれに違いがあって、チケットの予約時からチェックイン、降機まで、ワクワクの連続です。
車いすの乗客が多くないせいかCAさんや地上スタッフの方が覚えていてくださり、「またお会いしましたね♪」という会話ができるのも嬉しい特典かもしれません。
何度、乗っても、新しい発見があるので、移動時間も大きな楽しみの一つです。
機会があれば、成田—福岡のジェットスターも乗ってみたいですね。
もう一つ興味があるのは、成田—佐賀の春秋航空。
佐賀空港は、車いすユーザーでも運転のできる改造車を備えたレンタカー屋がある珍しいスポットです。
ぜひとも、行ってみたい!
移動のことを考えると、なかなか踏み切れずにいた2社ですが、来年は乗れたらいいなぁと期待に胸をふくらませています。
まとめ
今年度の目標である「身体をいたわった、余裕のあるスケジュール管理」。
4月に抱いた危機感が、骨折という形で現実のものとなりました。
否が応でも、身体をいたわらざるを得なくなったところを見ると、なんとも絶妙なタイミングです。
こうならなければ、私はきっと、走り続けていたでしょう。
取り返しのつかなくなる前に、活動量を見直す機会を持てたことは、大きな収穫でした。
今年もいろいろあったけれど、“よい1年だった”と思えることに、幸せを感じます。
みなさま、2014年は、どんな1年でしたか?
よいお年をお迎えください。

イラスト:ふくいのりこ
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