《62》 新しい出会いをもとめて
- 樋口彩夏
- 2014年5月23日
- 読了時間: 3分
今、私がいるのは東京。羽田空港です。
15日からの東京に滞在。きょうはその最終日で、帰りの飛行機は夕方発の福岡行き。
たまには、いつもと違う場所で原稿を書くのもいいかなぁ〜と、お昼過ぎに空港へ来てしまいました。
上京の主目的は、がん政策に関する勉強会へ参加することです。
患者・家族、議員(国・県)、行政職員、医療従事者、民間企業、メディアと、さまざまな立場の人が総勢130名。
ほぼ全ての都道府県から参加者が集まっていた会場は、種々の方言に溢れていました。
内容と趣旨を整理すると、以下3つを糧にして、それぞれの地域で、がん政策づくりへ取り組もうというものです。
・国における、がん政策の現状と展望を把握する。
・データを読み取り、政策へ結びつける方法とコツを知る。
・各県の施策や活動から、好事例を共有する。
今回、私は患者として参加しました。
しかし、患者であると同時に、行政職員でもあります。
今の配属先は、がん政策には全く関わりのないところだけれど、行政組織全般に通じる耳の痛い話もありました。
また、国の意向を現場で働く人の言葉で聞けるという機会は、とても貴重です。
文字では伝わってこない、担当者の施策に対する温度を感じることができます。
患者として、行政職員として、2つの視点から多くの学びを得た3日間となりました。
それにしても、あのパワーはどこから湧いてくるのでしょうか。
患者の立場での参加者を見てみると、各県を代表するオピニオンリーダーばかりです。
自己紹介のページをめくる度、聞き覚えのある名前や団体名に、私の知的好奇心は高まっていきました。
年齢層も幅広かったけれど、最年少はおそらく私でしょう。
最初こそ、諸先輩方の熱弁に気圧され気味でしたが、これまでの体験に裏付けられた一言一言に重みがありました。
「この好事例に、この人あり。」
事の背景を熱っぽく語る姿に、聴き入ってしまったほどです。
でも、やっぱり、人は人でしかないのですね。
走り続けていれば、息が切れることもあるのでしょう。
「疲れた・・・・・・」
患者として、がん政策へ先頭を切って参画してきた人の口から、その言葉が出てきたのは衝撃的でした。
不覚にも、その言動に勇気づけられた私がいます。
昨年、コラムに仕事と新しいことが同時期にはじまり、生活スタイルが大きく変わりました。
どちらも楽しいものではあったけれど、「これ以上、負荷は増やせない」という心境になったのも事実です。
2つに専念するという前向きな意味で、昨年の下半期は、なるべく新しい出会いを避けていました。
そんな閉鎖的期間もそろそろ止めよう、と思いはじめた頃にあがったのが、今回の上京話です。
勉強会のほかにも、会ってみたかった人と会う約束をしました。
新しい人と出会う機会を積極的に作ったのは、ひさしぶりです。
人が繋いでくれた、思いがけない出会いもありました。
今回の数日をふり返ると、改めて、私って人が好きなんだなぁと実感した東京滞在でした。
また、外に出て、いろいろな人や物に触れる機会は大事だなと、再認識しました。
勉強会で学んだこともしっかりと復習をし、今後に生かしたいと思います。
多くの人との出会いによってパワーも充電されたことだし、明日からの仕事もがんばろう♪

イラスト:ふくいのりこ
Kommentare